当コラムでは、特注スプレーノズルのトップメーカーであるエバーロイが、
専門家の視点でスプレーノズルの粒子径の測定評価について説明します。
粒子径について
微粒化されたスプレーは、数μmから数百μmに到る無数に近い粒子から出来ています。
例えば1cm3の液体が直径10μmの粒子に分裂した場合、その数は19.1×108個と膨大な数になります。
この粒子の集まりの表現方法については、スプレーノズルの特性を正しく評価するために重要な要素となります。
粒子径の表し方
<平均粒子径>
幅広い粒径範囲を持った粒子群をある均一の粒径に置き換える操作のことで、
全ての粒子数の直径の総和を総粒子数で割る方法です。
以下は代表的な平均粒子径の種類です。
上記6種類の平均粒子径の中で、全表面積と全体体積が同じ体積表面積を有する平均粒子径d32は、ドイツ人であるザウター氏により発表されたためザウター平均粒子径(S.M.D.)と呼ばれます。
<モード粒径>
Modeとは統計を扱う上では最も頻度の多い点を表します。
モード粒径は分布が図や表で表されていればすぐに読み取れる便利なものですが物理的な意味はないとされています。
<メジアン粒径>
medianとは中央を意味し、統計的には中央値を表します。すなわち累積曲線の通過分と残留分が著しい点の粒径ということです。
モード粒径と同じく統計的な意味のみで物理的な意味はないとされています。
<%粒径>
考え方としてはメジアン粒径と同じでメジアン粒径は50%粒径と同じ意味合いです。
累積曲線上で通過分がa%となるような点に対する粒径をa%粒径といい、一般的なものではありませんが、燃焼を扱う分野では着火を問題にする場合に5%粒径や、火炎の長さや燃焼室の大きさを決めるような場合に95%粒径などが用いられます。
当社が保有する設備では上記のような粒子径も算出することが可能ですが、
多くはザウター平均粒子径を用いて評価しています。
測定評価方法
弊社ではスプレーノズルの性能評価の1つとして粒子径の測定装置を保有しています。
当社スプレーノズルの開発設計に用いることや、他社製を含むお客様が使用されている現状のスプレーノズルの性能評価、さらには当社の技術力により性能を改善したカスタマイズ品の評価を行っています。
<粒子径・流速解析装置>
位相ドップラー法による粒子径測定は、レーザードップラーの位相原理を応用した粒子解析で、粒子の速度と大きさを同時に測定することができます。平均粒子径、粒度分布、平均流速、流速分布などを求めることができます。
<粒子径画像解析装置>
粒子径画像解析装置は、スプレーにストロボ発光しCCDカメラで連続撮像し、取り込んだ画像をPCで解析処理を施し、平均粒子径、粒度分布を求めることができる装置です。
お気軽に当社に御相談ください!
当社ではスプレーノズルの粒子径を評価可能な設備や技術を持っており、現在ご使用のスプレーノズルの測定・評価を致します。
ノズルの噴射条件や内部構造を工夫することで、お客様のご要望にあった粒子径を得られる様、カスタマイズした特注ノズルの設計製作が可能です。
スプレーノズルにおいて、お悩みをお持ちの皆様、どのような”無理難題”でも結構ですので、お気軽にご相談ください。