当コラムでは、特注スプレーノズルのトップメーカーであるエバーロイが、スプレーノズルの専門家の視点でミストノズルについて説明します。
ミストノズルとは?
ミストノズルとは、空気と水を混合させて微粒化し噴霧するノズルです。内部構造は1流体ノズルより複雑で、高精度が必要なものもあります。
ミストノズルの構造
空気と水を混合させて微粒化し噴霧するミストノズルですが、構造としては内部混合型と外部混合方に分けることが出来ます。
内部混合型
内部混合型のミストノズルは、空気と水を別々にノズルに流入し、ノズル内部で混合させることでミスト化します。ただし、混合についてただ単純にノズル内の空間に流入しても微粒化できずスプレーも安定しません。当社の気水ノズルをはじめとした内部混合型のノズルではこの混合する内部空間の構造を工夫し、微粒化や空気側から水側に逆流しにくいような設計になっています。
外部混合型
外部混合型のミストノズルでは、内部混合型と同じように空気と水を別々に流入しますが、内部で混合させずノズル先端の出口で混合させる方式を言います。この外部混合式の大きな特徴としては水を加圧することなく、空気の力によって自吸出来るということです。これによりポンプや加圧タンクが不要といったコストダウンが可能です。ただし水頭差による影響を受けますので流量の調整には注意が必要です。 自吸式の場合、水を吸い上げるためにある程度の空気量が必要となるため、水量が多いノズルには向いておらず、小流量のノズルに適しています。
ミストノズルの用途や導入事例
ミストノズルは、その特性から、薬液や塗料、食品の塗布や加湿・調湿に使用されることが多いスプレーノズルです。ミストノズルを導入する上で特に重要なことは、スプレーパターンを均一化することです。以下では、実際の導入事例をご紹介します。
流動層乾燥機用ミストノズル
流動層乾燥機は、薬や食品などの原料をスプレーし、粉末状にするため、スプレーした際の粒子径が重要となり、原料によって必要な粒子径のサイズが異なるためスプレーノズルを調整する必要があります。粒子径の調整機構を取り付け、お客様の課題を解決した事例です。
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連続鋳造機用ミストノズル
製鉄業界で使用される連続鋳造機における溶鋼の凝固過程において、鋳片内部の凝固を行うため水のスプレーによる冷却が行われています。水のスプレーによる凝固は2次冷却と呼ばれ、鋳造品を製造する上で品質を左右する重要工程となります。特注ノズルの製作により、冷却均一化を実現した事例です。
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排煙脱硫装置用ミストノズル
石灰、石膏法による排煙脱硫装置において、排煙から二酸化硫黄を除去する工程でスプレーノズルによる石灰スラリーの噴射が行われています。石灰スラリーとは、石灰を粉末状にし水と混合させた流体です。石灰スラリーの噴射は、スプレーノズルの摩耗を生じさせやすく、ノズル性能の低下につながります。具体的には、磨耗によるノズル形状の変化によってスプレーパターンが変わることで、本来の性能が発揮できなくなります。
超硬性特注ノズルの製作により、お客様の課題を解決した事例です。
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ミストノズルは当社にお任せください!
ミストノズルについてご理解頂けましたでしょうか。スプレーノズル・エアーノズル ソリューションナビを運営するエバーロイは、多様な種類のミストノズルをラインナップとしてご用意しています。また、標準品では対応できない場合は、カスタマイズした特注ノズルにて皆様の課題を解決します。ミストノズルについてお悩みをお持ちの皆様、お気軽に当社に御相談ください。