2流体ノズルの基礎知識と選定方法
スプレーノズル・エアーノズル ソリューションナビを運営するエバーロイは、多岐にわたる種類の2流体ノズルを扱っており、皆様に選ばれ続けてきました。当コラムでは、スプレーノズルの専門家の視点で、2流体ノズルの基礎知識と2流体ノズルの選定方法についてご説明させて頂きます。
2流体ノズルとは?
2流体ノズルとは、主に空気と水といった2つの流体を噴射するノズルのことです。1流体ノズルとは異なり、気体と液体を混合させて様々なスプレーパターンを形成します。ただし、空気は通常コンプレッサーエアーからの供給となるため、圧力は0.7MPa以下での使用がほとんどとなります。1流体ノズルと同様に、目的や用途に合わせたノズル選定が必要となります。
1流体ノズルと2流体ノズルの比較
※ターンダウンとは使用する流量範囲のMIN~MAX流量の比率の事です。
例:MIN流量=1L/min、MAX流量は10L/minの場合、ターンダウンは10倍と表します。
上記表では、1流体ノズルとの特徴を比較しています。2流体ノズルは、1流体ノズルと比べ、スプレー角度が大きく取れませんが、空気との混合であるため流量の使用範囲であるターンダウンが大きく取れます。これは、水量が少ない場合でも空気を混合することにより安定したスプレーパターンや角度を保てるからです。また、空気を混合しているため衝突力が強く、粒子径が細かくなるといった大きな特徴があります。
費用面については、使用設備として空気の供給元であるコンプレッサーが必要となるため、ランニングコストが高くなります。また、構造が複雑となるため1流体ノズルより導入コストが高くなります。 空気を混合しているため衝突力が強く、粒子径が細かくなるといった大きな特徴があります。
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2流体ノズルの選定方法
ここからは、2流体ノズルの選定方法をご説明させて頂きます。
設備の確認
まず、2流体ノズルを選定する前に設備の仕様確認を行ってください。ポンプの性能や配管などにより、スプレーノズルに供給できる圧力や流量が決まります。また、ヘッダーのサイズにより取り付ける2流体ノズルのねじなどの取り合いサイズが変わりますので、スプレーノズル取り合い形状の確認を行ってください。 また、ヘッダーのサイズについては内部の流速が重要となってきます。参考として下記ページに配管径と流速の関係をまとめておりますので参照ください。
関連情報
配管サイズ毎の流速と流量の関係
なお、圧力増加により流量は増えますが、ノズルの種類により角度は変化いたしますので、仕様流量に範囲がある場合、角度の変化に注意してください。
一般的に、噴射圧力を高くすると噴射角度は広くなりますが、フルコーンノズルなど中子が入っているものは、ある圧力までは角度が広がり、それ以上の圧力になると角度が狭くっていくノズルがあります。
環境の確認
次に、使用される環境の確認を行ってください。周囲の温度や使用する流体の性質により最適な2流体ノズルの材質が変わります。また、流体に異物が含まれる場合は、スプレーノズルの詰まりが発生する恐れがあります。異物サイズを把握いただければ、スプレーノズル内部の最小通路径を考慮した選定が可能です。
2流体ノズル仕様の決定
スプレーノズル1個当たりの圧力や流量、スプレーパターン及び角度を決定してください。
※粒子径サイズにご指定がある場合、圧力などの条件によっては満足できない場合が御座います。(複数個の2流体ノズルを並べる場合は、トータルの流量と噴射する対象物の幅を決定し、当社相談窓口までお気軽にご相談ください。)
2流体ノズルの種類及び型番選定
スプレーノズルのカタログを参照いただき、スプレーパターンによりノズル種類を選定してください。(フラット、フルコーン、カーテン等)
2流体ノズルの種類決定後、所定の圧力下での流量及び角度を確認してください。エバーロイのカタログであれば、最小通路径につきましても記載していますので、合わせて検討いただきノズル型番を決定してください。
2流体ノズルをお探しの皆様、お気軽にご相談ください!
2流体ノズルについて、ご理解頂けましたでしょうか。
スプレーノズル・エアーノズル ソリューションナビでは、2流体ノズルを代表する気水ノズルをはじめとして多くの2流体ノズルを取り揃えております。流量についても最適なノズルを選定すれば数mL/minから100L/minクラスまで対応が可能です。標準ラインナップ以外の型番についてもお客様のご要望に合わせたカスタマイズ設計が可能ですので、お気軽にご相談ください。