お客様の課題・ニーズ
食品工場では様々な用途でスプレーノズルが稼働しています。チョコレートやはちみつなど、食品の塗布用、タンクや食品機械部品の洗浄用、スプレードライ用など、多岐にわたります。食品工場で使用されるスプレノズルでは、衛生面の向上や異物混入リスクの排除など、他業界に比べて重要視される傾向がございます。さらに、塗布用の場合は高粘度の流体も多く、スプレーノズルメーカーに製造ノウハウや知見が求められる分野であるといえます。
当事例のお客様は、スプレーノズルによってバターの塗布を行っておりました。バター価格の高騰もあり、バター消費量削減による歩留まりの向上、及び装置周辺への飛散防止に向け改善活動を行っておられました。設備を大きく変更することなく上記課題を解決するために、スプレーノズルの入れ替えをご検討中でしたが、従来使用されていた他社スプレーノズルメーカー様より満足のいく提案が得られず、特注ノズルのトップメーカーである当社にお声かけ頂きました。
提案内容
当事例では、歩留まり向上及び飛散防止を実現できるスプレーノズルを提案する必要がありました。既存のノズルを確認したところ、噴射が不均一であったため歩留まりが低下し、水量分布が広がっていたため飛散が起きていることが分かりました。そのため、標準スプレーノズルではなく、水量分布をカスタマイズした特注ノズルで噴射均一化を実現できるノズルを提案しました。
試作・評価試験
まず、既存のスプレーノズルをお預かりし、単体での水量分布を測定しました。その結果をもとに実機のレイアウト通りに5個のスプレーノズルを設置した場合のラップ水量分布を想定しました。水量分布を均一化させるため内部構造をカスタマイズした試作品を製作し、水量分布測定を繰り返し、均一化を実現できる構造にて製作をしました。