お客様の課題・ニーズ
石灰、石膏法による排煙脱硫装置において、排煙から二酸化硫黄を除去する工程でスプレーノズルによる石灰スラリーの噴射が行われています。石灰スラリーとは、石灰を粉末状にし水と混合させた流体です。石灰スラリーの噴射は、スプレーノズルの摩耗を生じさせやすく、ノズル性能の低下につながります。具体的には、磨耗によるノズル形状の変化によってスプレーパターンが変わることで、本来の性能が発揮できなくなります。また、ノズルが設置される排ガス冷却塔内は使用環境温度が500℃を超えるため、スプレーノズルには高耐久性が求められます。
従来のスプレーノズルでは、磨耗が発生するスパンが短く、ノズルの取り換え頻度が多くなることでランニングコストの上昇につながっていました。また、ノズル性能低下により、二酸化硫黄の除去が不十分になってしまうという懸念点もありました。
当事例のお客様は、上記の問題を解決するために、高寿命化、高耐久性を可能とするスプレーノズルをお探しで、特注ノズルの製作を得意とする当社にお声かけ頂きました。
提案内容
従来のスプレーノズルでは、ハステロイ製ノズルチップを使用していましたが、500℃の使用環境や石灰スラリーの噴射という仕様では、耐久性が十分とは言えませんでした。そこで当社は、耐熱性・耐食性に優れたニッケルベースの超硬であるKN20を使用したノズルチップに変更することを提案しました。標準ノズルであるKAMXノズルをベースに、標準材質であるSUS316LからKN20に変更し超硬化することで、性能を維持しながら耐摩耗性の向上と、耐熱性の向上を実現できるためです。
試作・評価試験
KN20を使用した特注スプレーノズルの導入により、スプレーノズルの入れ替え頻度が減り、ランニングコストの低下を実現することができました。また、高硬度で耐熱性・耐久性のある超硬ノズルであるため、500℃の使用環境でも磨耗しにくく、安定した二酸化硫黄の除去が可能になりました。
当事例のように当社は、スプレーノズルの設計開発、試作品製造、測定試験を行うことが可能で、お客様の要望に合った、そして₊αのスプレーノズルをご提供させて頂くことを約束します。
また、当社はスプレーノズルメーカーであると同時に超硬合金メーカーでもあり、超硬合金の選択肢を幅広く持っております。仕様環境、ご要望に応じて、最適な超硬ノズルの選定を行います。
耐久性が低くノズルの入れ替えが頻繁に発生しお困りの皆さま、磨耗による性能低下などでお悩みの皆さま、最適な超硬特注ノズルを提案させて頂きますので、お気軽に当社にご相談ください。