お客様の課題・ニーズ
医療現場では、人工呼吸器・麻酔器に使用されるチューブ、麻酔バッグ、マスクなどの関連部品の自動洗浄機が稼働しています。院内感染防止の徹底が叫ばれる中、患者につながる麻酔回路、呼吸回路の洗浄力向上がさらに重要視されております。
自動洗浄機では洗浄水の噴射のためにスプレーノズルが使用されています。また、昨今ではスプレーノズルの噴射による洗浄に加えて、熱水処理や温風乾燥を備えた殺菌・洗浄効果の高い全自動洗浄機が稼働しています。
自動洗浄機には、チューブを取り付け固定しますが、作業性を考慮し、機械への取り付けを簡単に行える必要がありました。当事例のお客様は、作業性と衛生面を考慮し、専用カートリッジ交換方式を検討されていました。カートリッジに取り付けるスプレーノズルについては、作業性を考慮し標準サイズより短い寸法かつ、標準サイズ以上の噴射量が必要です。以前より標準スプレーノズルを納入していたお客様でしたが、当社の特注品対応力を見込んでご依頼頂きました。
提案内容
作業性の観点からスプレーノズルの短小化と、洗浄効果・衛生面の観点から噴射量の確保という、相反するご要望にお応えする必要がありました。スプレーノズルの全長の許容最大値をもとに、噴射量確保に影響の出ない範囲で取付ネジ部の山谷数を削減して、短小化することを提案しました。
試作・評価試験
まず、過去に当社が製作したスプレーノズルで近似流量のノズル寸法を参考に、試作品を製作しました。噴口であるオリフィスと水を旋回させる中子のバランスを変えながら、客先要望の流量と角度が得られるか噴射テストを行いました。試作品にて噴射量・角度をクリアしたのち、ご要望のノズル寸法で製作し、再度所定の流量と角度が維持できるか、確認と試作品改善を繰り返し、製作形状を決定しました。ネジ部も特殊形状であったため、図面での確認だけでなく、お客様のカートリッジをお借りし、ネジ部の取り付け確認を行いました。スプレーノズルの短小化、噴射量・角度の維持をクリアでき、最終形状にて納入することが決定しました。