お客様の課題・ニーズ
熱延鋼帯や厚鋼板など熱間圧延材を圧延する設備において、鋼板表面のスケールを除去するためにスプレーノズルを複数個使用しています。
スケールを除去できていない場合、鋼板よりも硬いスケールが圧延ロールに食い込み、鋼板にスケール痕と言われる表面欠陥が発生し、品質不良を引き起こします。
熱間圧延機に搭載され、スケール除去を目的としたノズルは、デスケーリングノズルと呼ばれます。近年、圧延される鋼板の種類(自動車用高張力鋼板・電磁鋼板など)も増え、従来のデスケーリングノズルではスケールの除去が不十分なケースがありました。
スケールの剥離性能を向上させるためにノズル流量や圧力を上げる方法もありますが、設備の更新が必要となり、容易ではありません。そのため、設備のユーティリティを変更せずにスケールの剥離性能を向上できるスプレーノズルが必要でした。
提案内容
熱間圧延機に搭載されていたデスケーリングノズルは従来型であったため、最高衝突力を向上させた新型の高衝突タイプのデスケーリングノズルを提案させて頂きました。
新型のデスケーリングノズルは、最高衝突力が高いためスケール除去性能が向上し、従来型と比べ水量を10~20%程度削減できる、という特徴を持ちます。
試作・評価試験
従来型のデスケーリングノズルと新型のデスケーリングノズルを用いて衝突力分布測定を行いました。最高衝突力、幅方向の衝突力分布を比較し、お客様に性能の向上を確認頂きました。最高衝突力が大きく上昇していたため、新型のデスケーリングノズルを高く評価頂き、導入が決定しました。