お客様の課題・ニーズ
ごみ焼却施設では大量のごみを焼却するため排ガスが発生します。排ガスには、硫黄酸化物や窒素酸化物、ダイオキシンなどの有害物質が含まれており、適切に処理される必要があります。一般的には、バグフィルターと呼ばれるろ過集塵機にて排ガスは処理されますが、バグフィルターを通過するまでに、ダイオキシンなどの有害物質の活性化を防ぐ200℃程度までガスの温度を下げなければなりません。そのため、水噴霧による冷却が行われており、スプレーノズルが使用されています。
水冷却は、有害物質を処理するための重要工程であるため、目詰まりにより排ガスの冷却が十分にできなくなると、有害物質が活性化し、排ガスの処理能力が低下してしまいます。スプレーノズルの定期的なメンテナンスは行われておりますが、ごみ焼却施設という大型で複雑な構造上、頻繁に点検を行うことができません。
当事例のお客様は定期点検を実施していましたが、従来使用されていたスプレーノズルのノズルオリフィスに目詰まりが発生してしまい、目詰まりが改善できるノズルに変更したいとのご要望を頂戴しました。
提案内容
ガスの冷却に必要な流量・角度といった性能を維持しながら、目詰まりを解消できるように、ノズルオリフィスを拡大する仕様を提案しました。ただし、実際に使用しているスプレーノズル全体を交換してしまうと、コストが増大し、また交換の手間が大きくなるため、チップ部分のみの交換を提案しました。特殊設計によるノズルチップを試作し、チップ部分のみを交換できるようにすることで、コストを大幅に抑え、顧客要望に対応しました。