お客様の課題・ニーズ
地熱発電は再生可能エネルギーとして注目されており、地中のマグマの熱を利用し、蒸気タービンを回転させ発電を行います。その設備の中に復水器という蒸気を水に戻す設備があり、その中にスプレーノズルが使用されています。スプレー水の粒子径の大きさによりタービンから排気される蒸気の凝縮性能が変化します。蒸気がスプレー水により冷却された際に蒸気が凝縮することで復水器内が負圧になり、蒸気タービンの排気圧力が下がります。そして、凝縮性能が高いとタービンの回転効率(発電効率)が上がります。
スプレーは広範囲をカバーするよう設計・配置されますが、大気圧力下でのスプレーパターンと真空下での実機のスプレーパターンとではスプレー水の噴霧量、噴霧範囲等が異なることが予想されるため、実機を模擬した試験が必要でした。
提案内容
実機を模擬した試験装置の製作が可能である当社にお声かけ頂きました。現場での実機確認、お客様との打ち合わせを重ね、真空試験装置を設計しました。真空試験装置の条件設定に実機と差異がないことを確認頂き、製作に進みました。
試作・評価試験
実機を模擬した真空試験装置を作成しました。実機と同様の真空下を作り出すため真空ポンプを用いたり、また、スプレーパターンの観察ができるようにアクリルを用いた設計を行いました。真空下において所定の圧力で噴霧し、実際のスプレーがどのような流量・広がりとなるかを測定しました。