お客様の課題・ニーズ
ガスタービン発電設備では、気温度上昇により吸込空気の密度が低下することで空気圧縮機吸込流量が減少し、出力が大きく減少します。夏季の電力不足を補うために、吸込空気を冷却する、吸気冷却装置が搭載されており、ここにスプレーノズルが使用されています。効率よく冷却し、圧縮機初段動翼へのエロージョン損傷リスクを低減させるためにはスプレーから噴霧するミストを微粒化する必要があります。
スプレーノズル単品としては微粒化が必要ですが、システムとしてはスプレーパターンも踏まえたノズル配置、及び蒸発に至る距離を確保することが必要であるため、お客様は実機の流れ場を模擬した検証を事前に行いたいとのご要望をお持ちで、当社にお声かけ頂きました。
提案内容
通常の試験装置では、実機の流れ場を再現できないため、適切な検証ができません。そこで、実機の流れ場を模擬した風洞試験装置を製作し、ノズルからの所定の距離に対して粒子径測定を行うことで、ノズル配置及び蒸発距離を最適化したシステムを提案いたしました。
試作・評価試験
前述のとおり、実機の流れ場を模擬した風洞試験装置を製作しました。実機と同じ流速を得る為、大型のファンを設置し、風洞内にノズルヘッダーを配置し、所定の噴射距離での粒子径測定を行うことで、粒径分布を把握し、設計要求値との比較検証を行えるようにしました。