お客様の課題・ニーズ
輪転機とは、高速で紙を巻き取りインクを転写する印刷機です。高速での印刷や両面多色印刷が可能で、新聞の印刷など大量生産に使用されています。
輪転機の印刷工程において、スプレーノズルは印刷しない部分にインクが付着しないよう刷版を湿らせるために使用されています。刷版を湿らせるための水を「湿し水」と呼びます。湿し水のスプレーが不均一だと、印版の水被膜が不十分となり、印刷物の仕上がり品質が低下してしまいます。
当事例の輪転機には、従来、他ノズルメーカー様の標準製品を搭載されていましたが、スプレーパターンが不均一で、不良品が発生することが問題となっていました。仕上がり品質を向上し、不良品の発生を防ぐために、スプレーパターンを均一化できるノズルをご要望で、他ノズルメーカー様にお声かけされていましたが満足いく提案が頂けず、当社にお声かけ頂きました。
提案内容
他ノズルメーカー様のノズルをお預かりし、水量分布測定を行ったところ、当社の標準ノズルと同様の水量分布だったため、標準ノズルの選定ではスプレーパターンの均一化は難しいと判断し、水量分布をカスタマイズした特注ノズルを提案しました。
試作・評価試験
従来のノズルにて測定した水量分布データをもとに、現状分析と問題点の洗い出しを行いました。そのデータを考慮し、最適な水量分布を検討し、スプレーパターンの均一化を目指して試作品の製作を行いました。
試作品製造→分布の評価というプロセスを複数回繰り返し、スプレーパターンを最適化できるノズルを完成させました。