お客様の課題・ニーズ
塗料を塗布する際には、塗装装置が使用されます。
塗装装置は、ハンドスプレーなどの手動タイプ、塗装ロボットを用いた全自動タイプなど、多岐にわたります。多岐にわたる塗装装置ですが、手動・全自動問わず、塗装においてはスプレーノズルを用いることが一般的です。
スプレーノズルを用いた塗装において、問題の一つにテールの発生があります。テールとは、スプレー塗装時にスプレーパターンの両端に太い線が発生する現象です。テールの発生は、塗装品質・美観性の低下につながります。昨今、塗装の種類は多岐にわたり、塗料粘度が高い場合など、不適当なノズルを使用するとテールの発生リスクが高まります。
当事例のお客様は、溶剤系ビーズクリアを塗布する際、他スプレーノズルメーカーの標準ノズルを使用していましたが、テールが発生してしまい美観性及び塗装による効果に悪影響を及ぼしていたことから、対象塗料のスプレー分布を均一化できるスプレーノズルをお探しでした。従来搭載していたスプレーノズルメーカー様にお声かけされましたが、満足できる提案が得られなかったため当社にお声かけ頂きました。
提案内容
他ノズルメーカー様の標準ノズルをお預かりし評価試験を行い、その後当社標準ノズルにて試験したところ、どちらも同様の水量分布でした。また、当社のノズルを塗装装置にテスト的に搭載したところ、テールが発生してしまいました。
そこで、水量分布をカスタマイズした特注ノズルを導入することで、テールの発生を防ぐことを提案しました。
試作・評価試験
従来搭載されていた他スプレーノズルメーカー様の標準ノズルにて水量分布測定を行い、スプレーパターンが不均一になる原因を追究しました。
また、他社のスプレーノズルだけではなく当社のラインナップにある複数の標準ノズルでも水量分布測定を行い、水量分布のカスタマイズ仕様を検討しました。
試作品を製作し、水量分布測定試験の実施→試作品修正・改造のプロセスを繰り返し、オリフィス形状のカスタマイズをしたスプレーパターンを均一化できるノズルを設計・製造しました。